第12話

がしがしと頭を掻きながら

「ああーくそっ!」


さっきは当たったのに!


エイジは毒づく。

「もう最悪だ!」


力も見られたし


「でも帰んないからな!」

「わかったから落ち着けって……!」

少年も動揺してアヤを見た。


この子に当たったら……


と想定する。

「今の俺じゃ、この子守れないよ」

不安と困惑を隠せない様子で必死に少年はエイジに言う。

「泣くな!」

「まだ泣いてない!」

睨み合う二人。

ぷっとエイジが噴き出した。

「まだってなんだよ?泣く気満々みたいな……!」

けらけらとエイジは笑った。

「煩いな!」

今度は少年が怒りだす番だ。

「俺だってエイジが戻る気になるまで、ここから動かないからな!」

少年は左足をダンッと地に強く踏み付けた。

「帰れ」

「ヤダ!」

「かーえーれー」

「いーやーだー」

ここまで傍観していたアヤだが、「ねぇエイジ、さっきの何?」無理矢理割り込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る