第4話

今まで本館で生活をしていて、使用人任せにしていた部分が仇となり出てきた。


「ああマツトシ、忙しいところすまない」

マツトシとは、執事だ。

「それが、ジャムの蓋が開かなくてな」

マツトシが電話の向こうで説明しているのか、ふむ…ふむ…とハヤテは時折相槌を打つ。

「わかった。ありがとう。それと!このことは兄さんには――」

バレたら、説教ものだ。

「すまない。…いやいい。“親子”の親睦を深めたいのでな。私がやるよ」

携帯を切るとハヤテはショウヘイを見た。

「キッチンに行こう」

ショウヘイの手を取らず一人で歩きだしてしまうところが、まだ父親として未熟だ。

ショウヘイは小走りでハヤテに付いていく。


ハヤテはボウルにポットの湯を溜める。

「こうして……」

ビンを逆さまにして蓋を湯につけた。

それをショウヘイは椅子に上がって見ていた。

「温めて糖分を溶かせばいいらしい」

「とーぶん?」

「あ、砂糖――。お砂糖だよ」

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