第35話

「…じゃあ、同族嫌悪だ」

バンッ!バシンッ!…カツン……

イングスの片眉が上がった。

「馬鹿者…私に、気を遣え…」

ハヤテが小さく説教した。伏せられているダイが「威しだと思ったんだって…」呆然と呟いた。

「馬鹿者…」

余程蹴りが利いたのか腹を抑えて苦悶の表情のハヤテ。

「…ユウヤは、あなたたちのどこに期待したのかしら?」

「…そりゃぁ、憧れてた頃は必死に追ってたからね。それなりに出来たさ」

白衣をほろいながらダイ。

「今は?」

「どうでもいいよ。…なぜこんなことを?」

「本当は…サトミエイジが目的だったのだけれど…いないのなら、それでもいいわ。なぜ?なぜだと思って?」

小馬鹿にしたようにイングスは笑んだ。

銃を持ち変え瑠利に向けて二人を牽制し、半身前を向く。

「あの子たち…いつまでもつかしら?」

ショウヘイたちのことだ。


私では無理だ…

…エイジ……


悔しくて言葉が出てこなかった。

いつも前向きなダイも呆然としてしまっていた。

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