第84話

僕も真似をして顔だけ向けた。

微かに足元が見えた。

その横の缶が爆発した。

同時に「ぎゃあ!」と悲鳴もあがった。

見事、先輩の撃った弾が爆弾に当たったのだ。


先輩と僕は素早く低姿勢で移動して、一つ手前の部屋に入った。

かみやんが各部屋のドアの鍵を事前に開けておいてくれたのだ。


移動の間、また何発か弾丸が飛んできて、一発が左肩を掠めた。

案外闇雲も侮れない。


「みさと!」

先輩が一度だけ僕を呼んで壁の陰から出た。


 それは合図。


先輩は飛んでくる弾丸に構わず、壁を転がるように歩きながら銃を撃った。

六発、一部屋分。

必ず人間の足か胴体に弾を当てた。


態勢を崩した相手の近くに爆弾があったら、僕はそれを狙う。

なければ、致命傷になるところを狙った。

本当は心臓か頭に当てれればいいのだけれど、百発百中は無理。


それでも、ルガーの破壊力は充分大きかった。


部屋に滑り込むように入り、先輩を見やると、にやりと笑って親指を立てた。

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