年下の友人

第35話

手始めに

「亀島」

私は自分の目に指をやり、亀島に合図を送った。

「はい?」

亀島は首を傾げる。

「眼鏡。お前、高校の時してたか?」

「ああ!これは旅でちょっといざこざに巻き込まれたとき、目をやられたみたいで…。それから掛けてます」

マサが亀島の横から眼鏡を覗き込む。

「こりゃあひでぇ。レンズ厚いわ」

私は亀島から眼鏡を外した。


重みがあった。

縁が細いので、レンズの重みだろう。


「確かに、これはひどいな。俺がわからないはずだ。この髪の色も」

私は笑いながら亀島の頭をくしゃくしゃにした。

繊維が傷んだ髪はぱさぱさしていた。

「やめてくださいよぅ」

目をしぼめて亀島は手を伸ばしてきた。

眼鏡を持つ私の腕を掴もうとするがうまく距離感がつかめないのか、手が泳ぐ。


一抹の不安が過りマサに目をやると、マサも渋い表情で私を見ていた。

「鍛えりゃなんとかなるだろ」

「へ?」

「なんでもないよ!」

私は押しつけるように眼鏡を返した。

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