第34話

「死ぬか生きるか、殺すか殺されるかだぞ」

「坊っちゃんには無理だ」


覚悟ならすでにある


僕は俯いた。右手は覚えている。あの感触。

「――あまり思い出さないようにしてたんですけど……旅先で人を刺したことがあります」


あれは、正当防衛だ

わかっていても気持ちは良くない


これからはそんなこといちいち思っていられない。


いや、コレをするにはこの世界が一番いい


その先なんて、あるかどうかもわからないのに

考えても仕方ない。


「手助けさせてください」

僕は弱く笑った。

「だとよ。あとはお前が判断すればいい」

先輩はうーと小さく唸って「足手纏いだと思ったら即捨てるからな」僕を睨み付けた。

「ありがとうございます」

僕は立ち上がり深々と礼をした。

「あ、マサさん」

「あ?」

「僕は、かめじまではなくかめしまです」

にっこり。

「いいじゃねぇか。これから名字なんて使わないんだし」

「ま、そうなんですけどね」

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