第33話

「いーや待て待て待てあるぞ情報」

マサさんは新しい煙草に火を点けてすぱすぱと吸った。

僕と先輩はマサさんの次の言葉に大注目だった。

「末っ子が海外留学したやつ」

「海外留学だぁ?」

先輩は腕を組んだ。


さっきからあった違和感が急速に消えていった。


「……あ、だからパスポート使えたんだ」

僕はぽつりと呟いた。

「それ!パスポート!」

「おかしいと思ってたんだ!」

二人は合点がいったと言うように頷きまくった。


僕が死んでいたら

僕はパスポートを使えない


「それはわかった」

先輩が今度は僕を指差した。

「なぜ、俺を探した?」

何を言われるだろうと身構えていた僕は「なぁんだ」ホッとした。

「決まってますよ。友人だから助けたいと思っただけです」

先輩は一瞬黙ったが

「やっぱり帰れ」

と言った。

「帰る所……」

「旅、再開しろ。それがいい。ここは坊っちゃんがいる世界じゃない」

マサさんも言う。

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