第22話

耳をすますと中から男と誰かの声が聞こえた。


この声……!


ドアに手が伸びたが、入るまで至らなかった。

ドアを開けず声をよく聞こうとそっとドアに耳をつけた。


うんたぶん。と心の中で自分に頷く。


間違いなければ

先輩だ……


そこまで確かめても僕は入らなかった。


いや

何か言い合いをしているようだったので

入りにくかった。


「――おい」

 ごんっ!カシャン…


迷っているうちにドアが開かれ、ドアの前にいた僕は額をドアの角に思い切り打ち付け、眼鏡が落ちた。


反動で後ろに倒れそうになったが堪えた。

目の前にチカチカ星が飛んでいた。


「大丈夫か?今、すげー鈍い音したぞ」

「大丈夫です。なんとか…」

僕は浮かんできた涙を拭きながら笑ってみせた。

「ほらよ」

男が眼鏡を拾ってくれた。

「どうも……」

「カナに特徴話したが、しらんみたいだぞ?」

「きっと顔見たらわかりますよ」

僕は男のあとに付いて中に入った。

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