第43話

[久我 昴side]



「あの女は?」


「大人しく眠ったで」



奥の部屋から戻ってきた史郎は眼鏡を中指であげながら、神妙な顔をしていた。

あの女を部屋に送ってきてからどこか変だ。



「どうした」


「ちょっとな」



と顎に手を当てて明らかに何かを考えている史郎。

この俺に話さないで自分1人で悩み考えるのは、参謀として頭を働かせている時。

数秒黙った後、顔を上げると史郎は俺の目を真っ直ぐ見た。



「話せ」


「あの子な、雷神のこと知っとった。あの族のことを知ってるのは、」


「俺達だけだ」



史郎の言葉を遮ったのは、今まで口を開かず突っ立って表情筋も固めたままの大悟。

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