第55話
「私が踊れないから?」
父親は首を横に振る。千切れんばかりにぶんぶんと。
「……私を愛してる?」
今度は縦に。
「嘘。……嘘つき。愛してないくせに」
「っ愛してるよ」
「嘘はやめて!!大好きだったのに!私は!愛してたのに!!」
ゆっくり銃口を向ける。腕を伸ばすと、父親の眉間に当たった。
何か言おうと父親が口を開く。
「だって私を売り物にしようとしてたじゃない」
遮った声は自分でもゾッとするほど冷たかった。
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