第28話

「お待たせ」

「構わない」

「剣持つよ」

後部座席に乗ったタムタは、手を伸ばした。変わらない態度で。

「……頼む」


まだ頼ってくれたサリッシュに、安堵の笑みを浮かべる。

対応しようとすれば、サリッシュ一人でもカサブランカや手下たちを倒せたはず。

それをしなかった。あの瞬間、タムタは見放されたと思った。


“自分でなんとかしろ”なんて……

前のサリーだったら、完全に、しかも簡単に俺たちを見捨ててる…


軽いはずの剣が重く、さっきのサリッシュのように冷たく感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る