第12話

慌てて謝罪すると、中年の客は頭を押さえながら、「俺こそすまなかったねぇ」苦笑いを向けた。

「本当にごめんなさい!」


もう一度謝り、羞恥で真っ赤になる顔をトレイで隠しながら、その場を去ろうと歩き出す。

「いやはや、ムーンちゃんにあんな気の強い所があるなんて」

「俺もびっくりしたよ」

背中に頭を叩かれた客と同席の男が笑い合う声がした。


キッチンまで入ると、レッドはまじまじと自分の手を見詰めた。

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