第8話
空を仰いだら、サリッシュの背後に月があった。
赤い、血を吸ったような下弦の月。
昔、太陽と近いから赤く光るのだと聞いたことがあるのを思い出した。
なぜか無性に悲しくなって、女は一筋涙を流した。
「私はレッド。レッド・ムーン」
それからぽつりと言った。
サリッシュが頷いた。
「赤い月か…。今、応援呼んでくる。俺だけではどうにもならない」
白いジャンパーを脱いでレッドに掛けると踵を返して走り出した。
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