Episode30

第99話

哉芽は最後の荷物を運び終えると稽古場に向かった。優芽が遺影を見つめている。


「優芽。荷物運び終わったから行くね。優芽も一緒に来るかい?」


優芽は哉芽に笑顔で応えた。


「行くわ。重たい物は持てないけれど、手伝いたいの。兄さんの新しい旅立ちだもの。お父様きっと喜んでいると思うわ。」


哉芽は遺影を見つめた。憎んで、絶望して、悔しくて、でも愛おしい。色んな感情が巡ってくる。


「ありがとう優芽。離れるけど、僕は何時でも優芽の味方だよ。忘れないで。何かあったら何時でも駆けつける。家元としての優芽も全力で支えるから。」


二人は遺影を見ながら抱き合った。


「兄さんありがとう。大好きよ。」


「優芽ありがとう。大好きだよ。」


二人の姿は紫耀に届いていた事だろう。

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