第98話
茉白はハイチェアに座っている。もうすぐ燈馬が部屋に来るだろう。哉芽は引越しの準備で忙しくしている。
「茉白、点滴の時間だよ。体調はどうかな?」
「ありがとう。大丈夫だよ。お願いします。」
茉白は燈馬の変化に気がついた。
「燈馬君何かあった?悩んでる事があるなら言って。私には何も出来ないかもしれないけど、話は聞けるから。」
燈馬は点滴の準備をしながら茉白を見つめた。
「さすが茉白。隠し事はできないね。ちょっと心配事があってね。でも茉白が心配する様な事ではないから。茉白は自分の身体を労わってね茉白に何かあったら哉芽君に怒られるから。」
燈馬は優芽の涙を思い出していた。報われない愛に苦しんでいる姿は燈馬と一緒だった。彼女が笑顔になれたら自分も救われるだろうか。
「優芽さんが腱鞘炎でしばらく治療が必要なんだ。僕が担当するから。毎日クリニックに来るからまた会ってあげてね。」
茉白はもう何も聞かない方が良いと思った。
「優芽さんが心配ね。私も優芽さんに会いたい。彼女の苦しみが早く無くなればいいのに。燈馬君助けてあげてね。」
言わなくても茉白にはお見通しかな。
燈馬はそう思った。
「わかってる。僕に任せて。茉白は哉芽君のお世話を宜しくね。身体だけは無理しないようにね。明日にはこっちに越してくるって言ってたね。二人で幸せになってね。」
茉白は嬉しそうに微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます