第97話

茉白は睡眠薬を飲んだ。哉芽がいる時くらい飲まないでいたかったが、哉芽に諭されてしまった。


「私が眠ったら哉芽君は帰ってね。ゆっくり身体を休めて。私みたいにならないように。」


哉芽は茉白をベッドに運びながら耳元で囁いた


「茉白は嘘つきだね。目が覚めて僕がいなかったら寂しい癖に。大丈夫。茉白の側にずっといるよ。僕は茉白の側にいないと死んじゃうからね。」


茉白は哉芽の顔を見つめる。


「ごめんなさい。側にいて。ずっと離れたくない。一つになっていたい。」


哉芽はベッドで茉白を優しく抱きしめて長いキスをした。


「僕も一つになりたい。離れたくない。茉白、身体が辛かったら言ってね。」


茉白と哉芽はそっと愛し合って一つになった。

そのまま二人は眠りについた。もう決して離れない様に祈りながら。

哉芽は目を閉じる瞬間、茉白に囁いた。


「愛してる。茉白だけ愛してる。これからもずっと僕は君だけ愛してる。」

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