Episode28

第93話

茉白は料理を作っていた。あまり長い時間立ってはいられないが、煮込み料理や低音で作る肉料理ならまだ作る事ができている。


部屋中にトマトの香りがしてきた頃、哉芽が入ってきた。


「わあいい匂い。茉白さん何作ってるの?」


茉白笑顔で哉芽を迎えた。


「チキンのトマト煮込みよ。バケットとパスタどっちが好きかしら?」


哉芽は茉白にキスをして微笑んだ。


「どっちも好きだよ。パスタは僕が茹でるよ。茉白は休憩してて。」


茉白は驚いた。紫雲家の哉芽が料理なんて。


「哉芽、料理作れるの?以外ね。」


哉芽照れ臭そうに笑った。


「パスタ位作れるよ。凝った料理は無理だけど。優芽と二人でよく作っていたんだ。」


茉白は哉芽に優芽いてくれて良かったと思った。優芽がいたから哉芽は救われていたのだろう。


「優芽さんに会いたいわ。哉芽の話をしたいの。今度会わせてくれる?」


哉芽は茉白を抱き上げてハイチェアに座らせた。


「今燈馬先生の診察を受けているから後で呼ぶね。皆で食事しようよ。それまでは、茉白を独り占めさせてね。」


燈馬は甘く囁くと茉白にキスをした。

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