第89話
哉芽と優芽は二人でクリニックに来ていた。哉芽は燈馬と診察室で話す事にした。
「燈馬さん。本当にありがとうございました。僕は茉白の為に生きていきたいと思っています。でも茉白には燈馬さんも必要です。
どうかこれからも茉白の側にいて下さい。僕は茉白にもっと幸せになって欲しいです燈馬さんも同じ気持ちなんですね。」
燈馬は綺麗な瞳で話す哉芽を見ていた。もう紫耀さんには似ていない。茉白が愛してるのは哉芽なんだと改めて感じていた。
「僕と茉白はこれからも変わらないよ。従兄弟だし、主治医だからね。茉白の為にできる事は全てするから。哉芽君は茉白の心を支えてあげてね。君にしか茉白は救えないから。」
燈馬の心が嬉しかった。哉芽は燈馬に頭を下げた。
「燈馬さんお願いがあります。茉白の生活環境は変えない方が良いと思います。でも僕は出来るだけ茉白の側にいたいんです。だからこのビルのマンションの一室をお借りできませんか?僕がそこで暮らします。」
燈馬は二人で暮らすものと思っていた。哉芽の提案は茉白を一番に考えた結果なのだろう。
「参ったな。君は大人だね。僕なら茉白と暮らすのに。わかった。賃貸契約しよう。後で管理会社から連絡させるね。茉白は納得してるの?僕に遠慮しているんじゃ無いよね。」
哉芽は燈馬の気遣いに感謝した。
「茉白と二人で出した結論です。先の事は分かりませんが今は茉白の体調が最優先なので。何時でも燈馬さんに治療して貰えるようにしたいんです。お願いします。」
燈馬と哉芽は笑いあった。
「じゃあ一緒にお姫様を守ろう。」
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