第86話
哉芽の肩に頭を乗せて茉白は眠っている。痛み止めの薬を飲むと眠くなるらしい。病院での診察も疲れただろう。
哉芽は茉白の寝顔を見ると切なくなる。寝ていても、痛みを感じているような表情だから。
「痛いの痛いの飛んでいけ。僕にその痛みを分けてくれ。茉白の痛みがなくなります様に。」
茉白の頭を撫でながら小さく呟いた。
「哉芽が痛いのは嫌よ。私は強いから大丈夫。哉芽の分も私が引き受けるから。」
茉白は目を開けて哉芽にキスをした。
「僕はもう痛くないよ。茉白が居てくれるから。お願い。何処にも行かないで。僕と一緒に眠ろう。愛してる。茉白だけ愛してる。」
哉芽は綺麗な笑顔で茉白を見つめている。
「綺麗な妖精に捕まった気分ね。惑わされているのかしら。」
茉白がため息をついた。
「茉白こそ。僕を誘惑してどうするの?もう充分虜になってるのに。まだ足りない?」
哉芽は茉白を抱き上げてベッドへ向かった。
「眠ろう茉白。僕のお姫様。」
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