第83話
燈馬は慌てて手を離した。優芽に悟られないように目を伏せて答えた。
「千晶なら優秀なので大丈夫ですよ。でも無理は禁物です。ご自分の身体を大切にして下さい。壊れてしまうのは一瞬ですから。」
優芽は燈馬が茉白の事を言っていると感じた。
「はい。家元が活けられなくなる訳にはいきません。ちゃんと治療します。では失礼します。本当にありがとうございました。これからも兄を宜しくお願いします。」
燈馬は優芽に笑顔を見せた
「こちらこそ。お大事にしてください。何かあれば何時でも言ってください。」
去っていく優芽を見送りながら、哉芽と茉白を想っていた。二人は今幸せを感じているだろうか。問題は山積みだろう。でも二人はもう離れられないと燈馬は考えている。
「良いなあ。俺も誰かに愛されたいな。」
ふと思った事に自分で驚いていた。
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