第79話

茉白は葵の病室にいた。葵は茉白の穏やか様子を見て変化を感じていた。


「お母さん、なんだか今日はいつもと違うね。とっても綺麗。良い事があったの?」


茉白は迷っていた。葵に嘘はつきたくないが、哉芽は葵の兄で、葵にはその事実は話せない。


「葵。もう少し時間をくれる?今はまだ言えない事があるの。でも心配しないで大丈夫だから。お願い。」


葵は朱音を抱きながら茉白に言った。


「お母さんもこうやってずっと私の為に生きてくれたのね。だからこれからはお母さん自身の幸せを一番に考えて。私はそれが嬉しいの。」


茉白は葵を抱きしめた。


「ありがとう。貴方は私の宝物よ。これからもずっと。葵と朱音の幸せをいつも祈ってるわ」

二人は愛らしく眠る朱音を見ながら、幸せな時間を過ごした。

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