Episode23

第77話

茉白が痛みで目を覚ますと。哉芽が心配そうに手を握っていた。


「茉白大丈夫?無理したんじゃないのかな。クラッシュしてない?」


茉白は哉芽の手を握り返した。


「大丈夫。痛みは消えないの。でも死ぬ訳じゃないし、薬の時間が過ぎただけ。バッグの中のポーチと水をくれる?」


哉芽はポーチと水を持ってきて茉白に薬を飲ませた。


「茉白の側にいるだけで夢みたい。だからもう無理しないで。痛みがこれ以上酷くならないように僕も気をつけるから。我慢だけはしないでね。」


茉白は哉芽の体温と香りに癒されていた。

哉芽の胸に顔を埋めて茉白はウトウトし始めた。哉芽がゆっくり茉白の身体を抱きしめていた。


「ありがとう。一緒に眠って。それだけで十分幸せよ」


哉芽は茉白の頬に顔を寄せた。


「わかった。一緒に眠ろう。痛みが酷くなったら言ってね。病院へ連れて行くから。」

二人は寄り添って眠りに落ちた。

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