第76話
哉芽は茉白にキスをした。自分を癒せるのは茉白だけなのに。
「僕の幸せには貴方が必要だよ。でも貴方の幸せは何処にあるの?僕の為に自分を犠牲にしないで。僕も貴方の幸せの為に生きていきたい。」
茉白は目を瞑った。もうすぐ雨が降る。頓服が効いている時間もあと僅かだ。
「抱いて。哉芽。雨が降る前に。痛みが薄れている間に。」
「茉白。大丈夫なの?君を壊したくない。僕ならそんな事しなくても平気だよ。」
茉白は哉芽に微笑んだ。
「私が抱かれたいの。貴方に愛されたい。求めて貰いたいの。女として。だから」
言いかけた茉白の口をキスで塞ぎ哉芽は茉白を優しく抱きしめた。
「かしこまりました。お姫様。」
雨が降る前に、二人は時を惜しむように愛し合った。
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