第75話
哉芽はスイートルームに茉白を連れてきた。とにかく直ぐに眠らせてあげたかった。
「茉白大丈夫?僕が側にいるから。眠って。」
哉芽は茉白の頭を撫でて囁いた。
茉白は頭がクラクラする。薬のせいじゃない。哉芽の香りが茉白の心を乱していた。
「哉芽君、私は大丈夫。少し胸が苦しいだけ。哉芽君に会いたかったよ。会えて嬉しい。」
哉芽は堪らず茉白を抱き締める。
「僕も茉白に会いたかった。ずっと側に居たい。茉白愛してる。」
哉芽の言葉に茉白はもう何も考えられなくなる
「哉芽君私で良いの?哉芽君に何もしてあげられない。こんな身体で貴方を満足させてあげられない。それでも良いの?」
哉芽は甘い声で茉白を誘惑する。
「茉白。もう子供扱いはやめて。哉芽って呼んで。僕の幸せは茉白と一緒に居ることだから。茉白が側にいてくれるだけで良い。」
茉白は哉芽の瞳を見つめて囁いた。
「哉芽。愛してる。側にいるよ。でも一つだけ約束して欲しいの。」
哉芽は嬉しくて舞い上がっていた。茉白の本当の想いにまだ気づいていなかった。
「約束する。何を誓えば良いの?茉白の言うことなら何でも聞くよ。」
茉白は哉芽の顔を優しく手で包んだ。
「心の痛みが治ったら、自由になって。本当の幸せを見つけたら直ぐに教えてね。私の願いはそれだけよ。」
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