第72話

茉白は葵に会いに行った。葵は元気そうで、とても幸せそうだった。


「お母さん体調は大丈夫?来てくれてありがとう。ほら、朱音よ。抱いてあげて。」


小さな命が愛らしくて、茉白は涙が止まらなかった。茉白は優しく朱音を抱き優しく話しかけた。


「初めまして。おばあちゃんです。朱音ちゃん、元気に生まれてくれてありがとう。どうか幸せになってね。お母さんを宜しくね。」


葵はその姿に泣き笑いしていた。


「お母さんがおばあちゃんなんて似合わないよね。若いし綺麗だもの。別の呼び方を考えなくちゃ。何か良いアイデアある?」


「おばあちゃんで良いわよ。若くないし、たまにしか会えないし、何もしてあげられないもの。二人が毎日笑っていてくれれば何でも良いわよ。バアバでもばあちゃんでも。」


朱音に頬ずりしながら茉白は晴れやか笑った。

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