第69話

優芽は哉芽と話を終えると稽古場へ向かった。そこには父の遺影が飾られている献花台がある。優芽は遺影の父に語りかけた。


「お父様。兄さんは幸せになれるかしら。私ができるのはこれが精一杯ね。」


優芽のスマートフォンがなる。SNSのメッセージを確認した。


(茉白は今出発しました。そちらはどうですか?茉白の宿泊先も同じホテルにしてあります。)


優芽はすぐに返信した。


(兄の出発は明日になります。ご連絡ありがとうございました。これからもどうか兄を宜しくお願いします。)


燈馬は優芽からのメッセージを確認した。


「茉白。どうするかな?僕からのサプライズプレゼント受け取ってくれるかな。後は二人次第だけど。やっぱり胸が痛いね。」


優芽にお礼の返信をしながら、燈馬は辛そうに微笑んでいた。

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