Episode19
第64話
哉芽は燈馬を捜して診察室へ入った。パソコンで文献を読んでいる燈馬に声をかけた。
「燈馬さん、すみませんが茉白さんの元へ行ってあげて下さい。多分かなり辛いと思うので、すみません。また茉白さんに負荷をかけてしまいました。」
燈馬は哉芽に笑顔で応えた。
「わかった。茉白の身体は僕がケアするから安心して良いよ。君のせいじゃないから。茉白は何を言っても自分より他人の為に動くからね。困ったお姫様だよ。静かに寝てくれると助かるのにな。」
燈馬の茉白への想いは哉芽もわかっている。哉芽にはない2人の繋がりが羨ましい。
「では失礼します。ありがとうございました。
茉白さんに良く休んでくださいとお伝えください。お願いします。」
哉芽は茉白の涙が早く笑顔に変わることを祈りながらクリニックを後にした。
もうすぐ夏がくる。哉芽は茉白の事を考えながら、空を見上げた。茉白の痛みが少しでも楽になる事を哉芽は願った。
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