Episode18

第61話

哉芽は茉白の部屋を訪れた。茉白は笑顔で哉芽を出迎えた。茉白の笑顔が見れて哉芽は幸せな気持ちが溢れてくる。


「茉白さん体調は大丈夫?今日は渡したい物があって。父からの贈り物です。」


哉芽は二つの箱を茉白に差し出した。

茉白は受け取って箱を開いた。1つ目は白い磁気の平皿で葵の葉が描かれていた。


「これは葵へのプレゼントね。綺麗な花器ね」


もう1つは一輪挿しの様だった。白い磁気のベースに紫の暈しが入っている。その中心に金色の線が2つの色を繋ぐように描かれていた。


「茉白と紫耀そして哉芽君だね。」


「僕?僕は金色なんかじゃないよ。別の意味じゃないかな。」


茉白は一輪挿し触れながら泣いていた。


「2つの色を繋ぐ"かなめ"紫耀さんは哉芽君に何かを託したのね。」


哉芽は遺言を思い出した。


「茉白を頼むって。僕と茉白さんは愛を見失っているから、2人で愛を見つける様にって僕への遺言に書いてあった。」

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