第51話
哉芽は震えていた。茉白はもう何も言えなかった。茉白は哉芽にキスをした。
哉芽のスマートフォンからアラームが聞こえた。哉芽は茉白をベッドに寝かせて耳元で囁いた。
「残念。雨が降るね。痛みは大丈夫?燈馬さんを呼んでくるね。」
茉白はゆっくり目を閉じた。
「ごめんなさい。ありがとう。」
哉芽は茉白に振り返って微笑んだ。
「僕は諦めないよ。茉白。また会いに来るね」
哉芽の背中を見送って、茉白は意識を失った。
部屋に入ってきた燈馬は眠っている茉白に点滴を打ちながら茉白の顔を見つめていた。
「ねえ茉白。またアイツにするの?僕じゃダメなの。茉白。何処にも行かないで。」
眠っている茉白の手に祈るようにキスをした。
雨が降っている。燈馬には空が泣いているように見えた。
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