Episode14
第47話
僕はずっと母の側にいた。父に抱かれた記憶はなくて、いつも母が僕を離さなかった。母の膝の上で何時も同じ話しを聞いていた。
「お父様は悪い事をしたの。お母様に内緒で茉白さんと仲良くしてお母様を独りぼっちにしたのよ。だから哉芽はお母様の側にずっといて、お父様と茉白さんからお母様を守ってね。」
繰り返し同じ話をされた。中学生になる頃には父と距離ができて茉白さんを憎むようになった。母の苦しそうな顔を見たくなかった。父が時折僕に何か言いたそうにしていたけど、母がいつも邪魔していた。
「哉芽は私が守るから、お父様と二人きりで話さないで。」
そう約束させられた。
高校生になる頃一人の女性が僕の家庭教師になった。綺麗な人で、母以外の女性と話すのが初めてだった僕はすぐに夢中になった。彼女は勉強だけじゃなくて男女の関係も教えてくれた。
僕は彼女の言うことはなんでも聞いた。大学在学中に弁護士と公認会計士の資格を取ったのも、彼女にそうするよう言われたから。彼女はいつも言っていたよ。
「早く二人で暮らしましょう。私の為に頑張ってね。私は幸せになりたいの。」
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