第37話
哉芽は優芽の声を聴きながら、目の前が暗くなるようなきがした。
「父さんはなんて答えたの?優芽は何を知っているの?僕だけが嘘を信じていたのか。」
優芽は哉芽の身体を擦り続けた。
「父さんは言ったの。これは僕の贖罪なんだって。とても美しい華を自分の手で汚してしまった。もう触れらないからその罪を忘れないように華を活けているって。」
優芽は泣いていた。
「お父様は辛くても忘れたくなかったのね。それ程茉白さんを愛していた。お母様はそんなお父様と茉白さんがずっと憎かった。」
哉芽は母の顔を思い出していた。苦しそうで狂気に満ちたあの瞳。
「僕達にはもう一人兄妹がいる。君の姉さんになる葵さんは茉白さんが産んだ父さんの娘だよ。それも知っていたの?」
優芽は頷いた。
「葵さんと言うの。名前は知らなかった。半年前華商如月に打ち合わせに行った時茉白さんが里帰りしてた。その時に付き添っていた娘さんがいたの。驚いたわ、だって兄さんによく似ていたから。兄妹なんだってすぐにわかった。」
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