第93話

燈馬が先に茉白の部屋に来ていた。茉白の点滴をする燈馬に朱音は一生懸命話しかけていた。


「とー。だー。だー。とー。」


優芽が燈馬に話しかけた。


「燈馬さん。朱音ちゃんが呼んでますよ。

抱っこして欲しいみたいです。」


「とーって僕だったんだ。朱音ちゃんおいで。

名前を呼んでくれてありがとう。


優芽さんは何て呼ばれているの?」


燈馬に抱かれた朱音は優芽の方を見て手を伸ばした。


「うーちゃん。ちゅー。」


「うーちゃんか。朱音ちゃんは優芽さんにキスしたいの?」


燈馬が優芽の横に行くと、朱音は優芽と燈馬の頬にキスをした。


「いつも家でしてるから。朱音良かったね。

燈馬さんと優芽さんが大好きなのね。」


葵は朱音の頭を撫でた。


「ママ。だー。ちゅー。」


葵が朱音を抱いてキスをすると朱音は嬉しそうに笑った。


「やっぱりお母さんが1番ですね。本当に可愛いですね燈馬さん。」


「そうだね。僕達にも天使が来てくれると良いな。もっと頑張らなくちゃ。」


燈馬の呟きに優芽が顔を真っ赤にした。


茉白が2人の姿を微笑ましく見ている時、ベッドルームに哉芽が入って来た。


「ただいま。なんだか楽しそうだね。」


哉芽を見た朱音は腕を差し出して話しかけた。


「かなめ。かなめ。だー。」


「朱音ちゃん。凄いね。もう僕の名前が言えるなんて。」


葵は優芽に笑いかけた。


「ね。凄いでしょ。哉芽さんの名前だけハッキリ言えるの。」


「朱音ちゃん哉芽さんだけ特別なんですね。初恋かしら。」


「そうかも。パパが焼きもち妬いちゃうね。

朱音。哉芽さんに抱っこして欲しいのね。」


哉芽は朱音を抱くとベッドにいる茉白の横に座ってキスをした。


朱音も哉芽と茉白にキスをしていた。


「朱音ちゃん。哉芽を宜しくね。いっぱい愛してあげてね。」


「僕の愛は茉白だけだよ。朱音ちゃんにはもっと素敵な人がいるよ。」


「かなめ。かなめ。ちゅー」


朱音は笑顔で哉芽の頬に顔を擦り付けていた。

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