NO.30

第88話

哉芽は茉白の部屋に帰ってきた。茉白は優芽と

2人で楽しそうにパンフレットを見ていた。


「ただいま。何を見てるの?楽しそうだね。」


「哉芽。お帰りなさい。優芽さんのウエディングドレスを見ていたの。


どれも素敵なの。優芽さんならなんでも似合うわ。」


「兄さんお疲れ様。燈馬さんには内緒にしたくて。茉白さんに一緒に選んで貰っていたの。


茉白さん、ありがとうございました。いくつか試着して決めたいので、茉白さんのお部屋で試着しても良いですか。」


「もちろん。葵も呼びましょう。とても楽しみね。葵の連絡先は知っている?」


「はいこの間交換しました。後で連絡してみます。じゃあ私は帰ります。おやすみなさい。」


「おやすみなさい。今日はありがとう。」


「おやすみ優芽。忙しいだろうけど無理しないようにするんだよ。」


「兄さんは過保護すぎるんだから。大丈夫ですじゃあまたね。」


優芽が帰ると、哉芽は茉白を抱き締めた。


「今日は痛みはどうだった?疲れたでしょう。早く横になろう。」


「痛みは変わらないわ。楽しいからついはしゃいでしまって。薬を飲んで横になるから。


食事は済ませたの?冷蔵庫に入っているから良かったら食べてね。」


「ありがとう。まずはお姫様を眠らせないとね。僕の大切な役目だから。」


哉芽は茉白に薬を飲ませるとベッドへ連れて行った。茉白と一緒に横になって茉白を抱き寄せてキスをした。


「茉白が眠るまで側にいるから。ゆっくり眠ってね。」


茉白は哉芽の胸に顔を寄せてゆっくり目を閉じた。哉芽の香りが茉白を安心させてくれる。


「こうしてると本当に安心するね。ありがとう。哉芽がいてくれて本当に幸せよ。」


「茉白。愛してる。ずっと側にいるから。」


哉芽は茉白が眠るまでずっと茉白の呼吸や胸の鼓動を感じていた。

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