NO.29

第85話

翌朝哉芽と優芽は事務所に来ていた。琥珀は昨日の出来事を2人に説明した。


「小野さんは入院中で、今は落ち着いているそうだよ。優芽ちゃん、先生に連絡してくれてありがとう。」


「琥珀さんこそ大変でしたね。まさかあの千晶先生の婚約者が来るなんて。


お父さんも琥珀さんの対応が早かったから入院する事ができたって言ってました。」


「琥珀ごめんね。僕達の代わりに対応してくれてありがとう。


千晶先生の告訴は取り下げない。小野さんの事は先生方に任せよう。


午後から後輩の弁護士と打ち合わせしてくるよ

今後は彼に窓口になって貰うから。」


「僕は平気だよ。でも哉芽が窓口だと優芽ちゃんに何かあるといけないから、後輩の先生にお願いして正解だね。


せっかく皆が幸せになっているのに。これ以上揉め事は避けたいね。」


優芽は琥珀を抱きしめた。


「琥珀さん本当にありがとう。全部琥珀さんのお陰です。今度は琥珀さんの番よ。


琥珀さんの幸せを皆が願っているから。幸せになってね。お兄さん。」


「優芽ちゃん。ありがとう。優芽ちゃんにそう言って貰えるだけで充分幸せだよ。」


「琥珀。ありがとう。今までどんな思いで過ごしてきたのか今度ゆっくり聞かせて貰うね。


これからはなんでも話すと約束して欲しい。僕が琥珀を守るから。」


琥珀は照れくさそうに哉芽の肩を組んだ。


「頼りにしてます。お兄さん。」


優芽は2人の腕組んだ。


「こんなに素敵な2人が私の家族なんて。さあ私の兄さん達、引越しの打ち合わせにも付き合ってくれますか?」


「もちろんだよ。燈馬さんが待ってるでしょ。

哉芽と同じフロアにしたの?」


「僕が借りていた部屋をそのまま譲るんだ。

僕が茉白の部屋に暮らす事にしたから。」


「そうなんだ。良かったね。皆が嬉しそうで本当に良かった。」


3人は笑顔で計画を立て始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る