第78話
静雅は琥珀の言葉をどう受け止めれば良いか戸惑っていた。
なぜ外泊を進めたり静雅の体調を気遣うのだろうか。彼は誰にでもこんな風に優しくするのか
「長内さんこそ優しい方なんですね。私の体調まで気遣ってくださるなんて。
私は無理なお願いをしに来たのに。ご迷惑ですよね。お時間を取らせてしまいすみません。
今日はもう帰ります。申し訳ありませんが明日またお伺いします。」
静雅が立ち上がろうとした時に立ちくらみを起こしてふらついてしまった。
琥珀は慌てて静雅を支えてもう一度座らせた。
「大丈夫ですか?もう少しここで休んでください。小野さんは自分で思っているよりお疲れのようです。」
静雅は目眩がしていて何も言えないでいた。やっぱり疲れているようだ。
「横になりますか?それとも病院へ行きますか?僕がお連れしますよ。」
「すみません。大丈夫です。少しこのままでいさせてください。」
「わかりました。じゃあお茶を入れ直して来ます。ゆっくりしていてください。」
琥珀はカップを手に取るとキッチンへ向かった。
静雅は目眩が収まるのを待つしかなかった。
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