第75話

琥珀は隣の部屋で静雅の様子を見守っていた。

電話で話している時も必死に謝っている姿が辛かった。


琥珀は哉芽へ電話した。


「哉芽ごめんね急に。実は千晶先生の婚約者だって言う女性が事務所に来ているんだ。


千晶先生の告訴を取り下げるように手配して欲しいと必死に頼むんだ。


なんだか様子がおかしくて。多分千晶先生の

言いなりになっているみたい。


うん。顔色も悪くて辛そうなんだ。このまま帰すのはちょっと心配で。


うん。ああ優芽ちゃん。ごめんね。そうなんだ

うん。優芽ちゃんのお父さんに?うんじゃあ僕の番号を伝えてくれる?


うん。ありがとう。今日はどうすれば良いかな

うん。わかった。そうするね。


優芽ちゃんありがとう。燈馬さんに宜しくね。

哉芽に代わってくれる?


哉芽?千晶先生の情報を後で送っておいて。うんわかった。じゃあ明日待ってるね。」


哉芽は電話を終えるともう一度彼女の様子を伺った。


静雅は手で顔を覆って震えていた。琥珀は思わず抱きしめたくなった。


自分の衝動に驚いて戸惑っている所に電話がなって慌てて出た。


「はい長内です。はいそうです。初めまして。そうなんです。かなり怯えていて、自分が全部悪いから自分が償うと言っています。


はい。かなり痩せています。はい。やっぱりこのまま帰すのは危険なんですね。


はい。そうですか。来ていただけますか?

はいありがとうございます。


すみませんが宜しくお願いします。」


電話を終えた琥珀は隣の部屋へ戻った。

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