NO.25

第73話

琥珀は暖かいミルクティーを出した。


「飲んでください。少しは落ち着くと思います

千晶先生の件は僕も聞いています。


小野さんは哉芽に何をお願いしたいのですか?

千晶先生との婚約は続いているのですね。」


静雅は涙を堪えながら懸命に話し始めた。


「彼は悪くないんです。悪いのは全部私なんです。だから私が相手の方々に謝罪と和解金をお支払いします。


どうか彼を許してください。このままだと彼の人生は壊れてしまいます。


立派な医者なんです。これからも医者として

沢山の人を救う人なんです。


私が彼の代わりになんでもしますから。どうか告訴を取り下げるように手配してください。」


静雅は縋るような目で琥珀を見つめている。

彼女の顔色が悪くて琥珀は思わず静雅の横に座って彼女の手をとった。


「身体が冷えてますよ。寒いですか?千晶先生の為にここにいらした事はわかりました。


今哉芽に連絡してみるので、紅茶を飲んで待ってて下さい。」


静雅は手をとられてた瞬間驚いて身体を硬くして琥珀から離れようとした。


「ごめんなさい。顔色が悪いのが心配でつい

驚きましたよね。僕は貴方を傷つけません。


じゃあ電話してきます。ゆっくりしていて下さい。すぐに戻ります。」


琥珀はスマホを手に取ると、隣の部屋へいった

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