第66話

葵は扉を開けて部屋へ入っていった。茉白の顔を見た瞬間、走り寄って抱き合った。


「お母さん、身体は大丈夫?会いたかった。」


「葵、元気そうで良かった。私は大丈夫よ。」


燈馬が優芽を連れて葵に話しかけた。


「葵ちゃん久しぶり。僕の奥さんを紹介させて

優芽さんだよ。」


「初めまして。優芽です。宜しくお願いします

葵さんにお会いしたかったです。」


葵は燈馬と優芽に微笑んだ


「初めまして。葵です。私もお会いしたかったです。ご結婚おめでとうございます。」


茉白の横に哉芽が寄り添った。


「葵さん、初めまして。紫雲哉芽です。優芽の兄です。宜しくお願いします。」


葵は哉芽の顔を見つめた。自然と涙が溢れてくる。葵の肩を創太が支えていた。


「あなたが。私のお兄さんなんですね。やっと会えました。


いつも母を支えて頂いてありがとうございます

これからも母をお願いします。」


茉白は涙が止まらない。


「葵。あなたはどこまで知っているの?

知っていて私を許してくれるの?


今まで黙っていて本当にごめんなさい。

あなたを傷つけたくなくて。」


葵は茉白を抱きしめた。


「何があってもお母さんが私を愛して育ててくれた事は事実だもの。お母さんを憎むなんて。


お母さんはずっと私の大好きなお母さんよ。

哉芽さんと幸せになって。」

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