第63話
茉白はベッドで横になっていた。哉芽が茉白を愛おしそうに抱きしめている。
ウトウトしていた時にスマホの音がした。哉芽は起き上がって茉白にスマホを渡した。
「葵さんから電話だよ。」
茉白はスマホを受けとった。
「はい。葵?元気にしている?朱音ちゃんは?そう。良かった。今ホテルにいるの。
私は大丈夫よ。明日はこっちに来られるの?そう
わかったわ。ありがとう。じゃあ明日またね」
哉芽はスマホを受け取ってサイドテーブルに置いた。茉白の瞳を見つめてもう一度抱きしめた
「明日来られるんだね。茉白は大丈夫?お願いだから無理だけはしないでね。」
茉白は哉芽に微笑んだ。
「大丈夫よ。哉芽が側にいてくれるから。葵にもう嘘はつきたくないから。
許して欲しい訳じゃないの。ただ葵は私の宝物だって伝えたい。
命がけで産んで、ずっと愛してきたから。それだけは信じて欲しい。」
「大丈夫だよ。葵さんが羨ましいよ。僕ももっと茉白に愛されたい。
葵さんは茉白が大好きだよ。僕達の事も今すぐじゃなくて良いから、わかって貰おう。
その為ならなんでもするから。茉白は心配しないでね。僕に愛されてくれれば良いから。」
「哉芽はまだ信じてくれないの?こんなに愛しているのに。子供と愛情を分け合いたいなんて。
哉芽はもっと幸せになって欲しい。私はその為に生きているのよ。
哉芽が私の愛を感じてくれるまで側にいるから
離さないでね。」
2人はそっと抱きしめあってキスをした。
「今夜はゆっくり眠ろう。お姫様。ずっと一緒にいるから。愛してる。」
「側にいてくれるだけで幸せよ。ありがとう。
哉芽もゆっくり眠って。愛してる。」
2人はゆっくり目を閉じた。この瞬間が2人にとって1番大切な時間だった。
茉白が痛みで目を覚ますまで少しでも長く2人で眠っていたい。
祈るように2人は眠りについた。
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