第56話
哉芽の部屋へ戻った茉白はベッドで横になって哉芽に抱きしめられていた。
「今日はありがとう。無理したんじゃない?辛かったらちゃんと言ってね。」
哉芽が茉白を愛おしそうに見つめる。
「大丈夫。無理はしないから。でもこうして哉芽と横になっているのが1番幸せね。」
茉白は哉芽にキスをした。
「琥珀と優芽が本当の兄妹だったなんて。なんだか不思議だけど、2人はどこか似ているよね
ちょっと寂しいな。ずっと優芽は僕だけの妹だったのに。」
「哉芽にはもう1人妹がいるわ。葵とあなたも良く似ているの。いつか会ってあげて。
皆が仲良く生きていく事が紫耀さんへの親孝行になると思うから。」
「もちろん。いつか会いたいし、もし葵さんが困っていたら僕が助けるよ。
葵さんも僕達の家族なんだからね。」
哉芽は茉白をもう一度抱きしめた。
「愛してるよ。茉白が僕の側で笑ってくれていれば、僕はそれで良い。
この時間がずっと続くと良いのにな。でも茉白はずっと痛みを抱えてると思うと、辛いんだ。
何もしてあげられなくてごめんね。」
茉白は哉芽の顔を見つめる。
「愛してくれてありがとう。それだけで十分よ。私は強いから大丈夫。
哉芽の痛みも私が引き受けるから。もっと幸せになって、素敵な男性になってね。」
哉芽の顔が少し曇った。まるで茉白が何か覚悟しているようで心配だった。
「僕は君の幸せが1番だよ。だから諦めてずっと僕に愛されてね。」
「おばさんには刺激が強すぎるから程々でお願いします。心臓が持たないから。」
哉芽は長いキスを落とした。
「ごめんね。茉白が可愛いからそれは無理かな。一緒に眠るからそれで許して。」
茉白は微笑んで哉芽を抱き寄せた。
「王子様。じゃあもう寝ましょう。今日は長い1日だったから。」
「うん。お疲れ様。ゆっくり眠ろう。」
2人はキスをしてから目を閉じた。
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