NO.19
第55話
優芽は茉白の身体を優しくさすった。
「そんな事言わないで。兄さんは茉白さんだけです。だからずっと2人で幸せにいて下さい。」
「優芽さんならわかるでしょ。時は過ぎていく
どんなに愛しても、時が流れていくうちにまた別の人を愛するの。
それは悪い事では無いわ。亡くなった人は残った人が新しい幸せを見つけて欲しいって思っているから。」
「でも茉白さんはそれで良いのですか。」
「私は紫耀さんと哉芽から十分愛して貰って幸せだった。紫耀さんが私に哉芽を託したように
私も哉芽に誰かを愛して幸せになって欲しい。
私の思いをいつか哉芽に伝えて欲しいの。」
茉白は優芽に微笑んだ。
「優芽さんにしかお願い出来ない事だから。哉芽の事お願いします。
きっと哉芽は心の痛みを治して、もっと素敵になるわ。どんな女性と愛し合うのか楽しみね」
優芽は茉白の思いが堪らなくて大きな声で泣いていた。
茉白は優芽を抱きしめていた。
「優芽さん大丈夫?何があったの?」
燈馬が慌てた様子で駆け寄った。
「燈馬君ごめんね。優芽さんをお願いできる?
後は2人で話してね。」
「わかった。茉白は大丈夫?辛くない?」
「私は大丈夫よ。哉芽と帰るから。今日は優芽さんの側にいてあげて。」
哉芽と琥珀も稽古場に入ってきた。
「優芽どうしたの?茉白は大丈夫?」
哉芽は茉白を抱き寄せた。
「優芽ちゃん。大丈夫?泣かないで。」
琥珀が優芽の頭を撫でていた。
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