第50話

項垂れている哉芽の傍に茉白が歩み寄った。


「哉芽。大丈夫?哉芽のせいじゃない。優芽さんの思いをわかってあげて。


優芽さんは叶芽と紫耀さんを愛してるだけなの。一途でまっすぐに、自分の幸せよりも大切な家族を守りたいだけ。」


「でも優芽が犠牲になるなんて。父さんだって優芽の幸せを誰より祈っていた。


こんな事間違ってる。優芽は本当に愛してる人と家族になって欲しい。」


燈馬は優芽の肩を抱いて哉芽の前に立った。


「哉芽君僕達は幸せだよ。2人で大切に育てるって決めたんだ。


心配しないで。僕が優芽さんを守るから。」


琥珀が哉芽の肩を叩いた。


「哉芽。今まで黙っていて本当にすまない。

君達2人にばかり辛い思いをさせてきたね。


僕達家族は君達のおかげで幸せに生きてきた。

だからこれからは2人に幸せになって欲しい。


哉芽は茉白さんと、優芽ちゃんは燈馬さんと。

僕は2人の為に生きていくと決めたから。


どうか悲しまないで。みんなで一緒に愛していこう。そうすればきっと生まれた子もわかってくれるから。


優芽ちゃんが自分の運命を受け入れてくれたように。見守って愛していこう。」

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