NO.17
第49話
琥珀の告白は終わった。茉白は少し俯いている。哉芽は茉白の手を離して優芽の方へ歩いてきた。
「優芽がまさか。僕の事はどうでも良いけど、優芽の事だけは。
優芽、辛かったね。優芽は誰がなんと言おうと僕の妹だから。大切な愛おしい妹だよ。」
優芽を強く抱きしめて苦しそうに呟いた。
「兄さん。ありがとう。兄さんは私の大切な家族です。それは変わらないから。
でも私の我儘を許して欲しいの。」
「我儘?優芽は何がしたいの?」
優芽は哉芽の目を見つめた。
「私が兄さんの子供を産みたいの。お父様が繋いだ命を次に繋ぐ為に。
私が産んで、愛して、きっと紫雲家の家元として育てるから。どうかお願いします。」
頭を下げる優芽を哉芽はもう一度抱きしめた。
「優芽。何を言っているの?君は燈馬さんと幸せになるんだよね。
血なんて関係ないよ。優芽が紫雲家を継いだんだから、燈馬さんと家族をつくるんだ。」
「哉芽君、僕は優芽さんの望みを叶えたいと思っているよ。優芽さんと2人で大切に育てるから
僕も年だから、子供が持てるとは限らないし、
優芽さんが傍に居てくれるだけで良いんだよ」
燈馬の言葉で叶芽は動けなくなっていた。
「なぜ優芽ばかり。僕は結局何も出来ないのか
ごめんね優芽。そんなに思い詰めてるなんて。
僕がもっと早く母さんの病に気づいていれば。
僕が言いなりにならなければ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます