第24話
琥珀は優芽を抱きしめたまま囁いた。
「大丈夫だよ。優芽ちゃんの思いは伝わっているよ。だから僕の話を聞いて。
急ぐ必要はないから。優芽ちゃんに必要なのは休息と時間だよ。
今まで1人で頑張ってきたよね。もう充分だよ」
優芽は琥珀の顔を見あげた。
「どうして?琥珀さんは私の事をわかってくれるのですか。」
「どうしてかな。でも優芽ちゃんの笑顔が見たいからいつも優芽ちゃんの事を見てるんだ。」
琥珀は優芽を座らせた。
「明日から暫く休もう。君が本当に幸せな道を見つけられるように。僕に任せて。明日の朝迎えにくるから。」
「休むなんて。お稽古があるんです。生徒さんが困ります。私なら大丈夫ですから。」
「ダメだよ。僕が全部手配するから。何も考えないで。
優芽ちゃんに必要なのは心と身体を休める事だよ。哉芽にも僕が上手く言っておくから。」
琥珀の目がいつもより強く優芽を見ていた。
もう何も言えなくなった優芽は始めて自分が酷く疲れている事に気づいた。
「琥珀さんの言う通りにします。今はただ眠りたい。」
「そうだね。疲れたね。ゆっくり休もう。」
琥珀は、優芽の身体を横抱きにして優芽の自室へと連れていった。
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