NO.8

第22話

琥珀は燈馬を見送ると稽古場に向かった。

優芽が窓から外を見つめて泣いていた。


「優芽ちゃん大丈夫?燈馬先生と何かあったのなら教えて。優芽ちゃんが好きな人って燈馬先生だよね。」


優芽は琥珀の声に体を震わせた。


「燈馬先生は悪くないんです。全部私が。私の問題なんです。だから大丈夫です。」


「優芽ちゃん。僕には全部話してよ。何があったの?優芽ちゃんが最近おかしかったのは気づいていたよ。」


琥珀は優芽を優しく抱きしめた。


「ほら。話してごらん。僕は君を守るから。約束したよね。秘密は守るよ。」


優芽は琥珀を見つめた。暖かくて優しい瞳で

優芽に微笑んでくれる。琥珀の瞳は不思議と

優芽を素直にさせる。


「私は。兄さんと血が繋がっていなかった。

母が兄さんの子供を産ませるために作った玩具なんです。」


琥珀は優芽の頭を撫でている。優しい温もりに優芽は涙が止まらなかった。


「優芽ちゃん。もしかして哉芽の子供を産もうとしているの?だから燈馬先生と離れようとしてるって訳か。」

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