第18話

茉白と優芽は一緒に料理を作っていた。長く立っていられない茉白が工夫をして作っている。


優芽は茉白が自分の難病も、痛みも全て受け入れているのが少し悲しかった。


「茉白さん本当に料理が上手ですね。これからも色々教えて下さい。」


「もちろんよ。一緒に料理ができるなんて嬉しい。何時でも遊びに来てね。」


「ありがとうございます。茉白さん、兄を宜しくお願いします。どうかいつまでも幸せでいて下さい。」


「どうしたの?なんだかお別れみたいに。何処かに行ってしまうの?」


「もうすぐ仕事で長期間留守にする予定なんです。兄と茉白さんに会えなくなるので。」


「そうなの。寂しくなるわね。優芽さん大丈夫?あまり無理しないでね。」


優芽は茉白に微笑んだ。


「私は大丈夫です。旅に出るようなものですから。ワクワクしてるんです。」


茉白は優芽の瞳を見つめた。優しくて強い瞳。

優芽は何を決めたのだろうか。


「優芽さんが決めたことなら応援するわ。また笑顔で会えるわよね。」


「はい。必ず帰って来ます。茉白さんもお大事にして下さい。」


茉白は優芽をもう一度抱きしめた。優芽に自分の思いが伝わる事を祈りながら。

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