NO.6

第16話

優芽は茉白の顔が見れなかった。優芽の思いが全て伝わってしまいそうで怖かった。


「葵さんとお子さんはお元気ですか?茉白さんがおばあちゃんなんて不思議ですね。」


茉白は優芽に写真を見せてくれた。


「私が長い時間画面を見れないから写真にして送ってくれたの。もう可愛くて。毎日見てるのよ。」


葵が可愛い赤ちゃんを抱いている。本当に幸せそうな顔で、優芽は羨ましかった。


「あんなに小さかった葵が母親になったなんて。本当に不思議ね。でも幸せだわ。」


「茉白さんが素敵なお母さんだから、葵さんも幸せな家庭が築けるんですね。」


茉白は優芽を抱き寄せた。


「優芽さん。それは違うわ。私は良い母親ではなかったの。


自分の我儘で葵を産んで、病気が悪化して。

結局母親らしい事が出来なかった。


葵は自分で自分の道を切り開いたのよ。本当に愛し合える人とめぐり逢えたから、今葵は幸せなの。」

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