第79話

「やだもう!そうなの!?

お母さんびっくりー!だって、超平凡な自分の娘がアイドルと付き合ってるなんて!!」


反対されるとか、じゃなく。

むしろ、笑ってる。


「よろしくねー、えっと玲央くんだったかしら?」


「あ、はい」


「この子、そういうの無縁かと思ってたから。

素直に嬉しいわ」


こんなに菜穂と付き合う事に祝福されることなんてなかったから。


「ありがとうございます。」


「デートとか中々難しかったら、うちにくると良いわ。お父さんには私から伝えておくから」


「お母さん…」


「菜穂のお母さん、ありがとうございます!」


「うん。

菜穂、カレー?お母さんも玲央くんと一緒に食べる」


「一応、お母さんとお父さんのも用意はしてある」


菜穂と菜穂母の後ろを見る。


俺には母親がいないから、羨ましい気持ちと

せつない気持ちと…


「玲央、どれぐらい食べる?」


「いっぱい」


菜穂達のところに行く。


「いっぱいって、どれぐらいよ」



温かい気持ちでいっぱいになった。

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