第62話

「亜夢…玲央…」


携帯…。あ、水没しないように水着に着替える前に預けたんだ。


人目が少なくて、気づく人いないかも。


「助けて…」


どんどん離されていく。

心細くなる。



「菜穂ちゃん!?」


名前を呼ぶ声が聞こえて、ハッと見ると。

沖の方に真琴さんがいた。


「た、助けてください…」


前のめりになり過ぎていた為、ボートから落ちる。


足つかない…!!


「菜穂ちゃん!?大丈夫??」


私を抱きかかえて助けてくれたのは、


「ま、ことさん…」


「菜穂ちゃん!大丈夫!?」


「ゴホゴホッ

はい…」


真琴さん、沖から泳いできてくれたんだ…。


「ありがとうございます…!」


ボートも離れていき、残された2人。


真琴さんが私を抱えながら沖に向かって泳ぐ。


反対の方は賑わう、白浜ビーチ。


「菜穂ー!!真琴ー!!」

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