第56話

「それにほら」


玲央が指さす場所には楽しそうにはしゃぐ亜夢と泉くんと碧くん。


「類は友を呼ぶ…。」


「アイツらのテンションそっくりなんだろーな」


でもまぁ、亜夢には付き合ってもらったし。

感謝しかないんだけど。


「何処に行くの?」


「どうすっかなー」


「車ならマネージャーが出すんじゃない?

ね、田淵さん」


メガネを掛けた気が弱そうな…人。


「僕を便利屋みたいに使わないでくださいー!!」


「半泣きっ!?」


驚く私を横に、玲央が「いつもの事」って平然と話す。


「大体誰なんですか!?この子達は」


そりゃそうだ。しかも、女だし。


「俺の好きな人」


嘘もつかずしれっと言った玲央の方を見る。


「えぇ!?す、スキャンダルは困りますよー」


「いや、付き合ってない。俺の片思い」


田淵さんは私の方を見る。


「あのー…すみません。」


本当ですか?とでも言いそうな顔をしてくる。


「本当に付き合っていないです」

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